2017年1月10日火曜日

冬に風呂場で起きやすい、突然死(ヒートショック)を防ぐ入浴法

医師に聞く「突然死」を予防する入浴法

2017.01.06



冬に風呂場で起きやすい、突然死。突然死を予防する入浴法はあるのだろうか? 医師専用コミュニティサイトの「MedPeer」が一昨年、同サイトに会員登録をしている医師1051名にアンケート調査を実施したところ、様々な意見が寄せられた。ぜひ参考にしてほしい。


 
■1位 脱衣所や風呂場を暖めるなどして、入浴前後の温度差を無くす

・入浴前に衣服を脱いだ際に寒暖差が大きいと心臓に負担をかけるので、突然死につながりやすい。(一般内科、50代、男性)
・浴槽の湯との寒暖差により、血管収縮や拡張を招いて、急激な血圧の上昇による脳心血管疾患や、血圧の下降による失神や心停止などを起こすことがある。(救急医療科、30代、男性)
・脳血管障害や心臓病はヒートショックにより誘発されることが良くあります。これは血圧の急激な変動をもたらすからです。急な温度変化は、特に高齢者にとって、命取りだと考えて下さい。(循環器内科、60代、男性)
・とくに冬場は部屋と部屋の温度差でからだが参ってしまうので。(麻酔科、30代、女性)
・裸で冷えた風呂場に入って、そこから熱いお湯につかって、浴槽から出たら、また冷えてということを繰り返すことで、血管に負荷がかかるから。(精神科、50代、男性)

◎具体的な方法
・浴槽に湯を張り、入浴前には早めに蓋を取っておきます。また、シャワーだけの時も、先にお湯のシャワーで浴室内を暖めておきます。浴室暖房を使用することもあります。さらに脱衣場も暖めておきます。(一般外科、50代、男性)
・脱衣場を温めるときに、浴場のドアも開けておく。(呼吸器内科、60代、男性)
・一番湯を避けるのがもっとも簡単です。それができなければ、お風呂の蓋をせずに湯を入れるとか、更衣室に小さな暖房器具を設置するとかになります。いずれにせよヒートショックには要注意です。(循環器内科、60代、男性)
・温水シャワーを1-2分浴室床に打ち付けておく。(脳神経外科、50代、男性)

■2位 足先からゆっくり入り、心臓への負担を避ける

・血圧の変動を避けるように、ゆっくりと入る。(小児科、40代、男性)
・急激な温度変化は自律神経の過緊張をまねくから。(麻酔科、60代、男性)
・体温を徐々にならしていくのが望ましい。急に熱い風呂に入ると脱水症状が出る恐れがあるため、予め水分を摂取しておく。(循環器内科、40代、男性)
・心臓から遠いところから温め始める。(一般内科、60代、男性)
・先に温まった身体の血流からの循環により他部位の体温も上がっていくので。(精神科、40代、女性)
・まずは四肢を温めるようにする。そして、少しずつ、体幹を温めるようにする。湯の温度は40度ぐらいにする。(総合診療、30代、男性)
・血圧変動を考えるとこれが重要。全身浴もよくないのでできれば胸まで。うちの風呂は肩から白糸の滝のようなお湯の出るものにしました。これだと、肩まで入らなくても温まれます。(泌尿器科、50代、男性)

■3位 お湯の温度は42℃未満にする

・熱いお湯は、血圧上昇につながるから。(整形外科・スポーツ医学、50代、男性)
・急な体温変化は体に負担を与える。(一般内科、30代、男性)
・体温とお湯の温度が違いすぎない方がいい。(精神科、40代、男性)
・41℃を超えると血圧の変動が大きくなる。(アレルギー科、60代、男性)
・浴室の保温も重要ですが、熱い湯に入るのではなく40度未満の湯に、10分を限度につかるようにすると体の芯まで温まります。いわゆる入浴時の突然死も防ぐことができるでしょう。(老年内科、50代、男性)
・リラックスできる温度である。(整形外科・スポーツ医学、40代、男性)

【調査概要】
調査対象:医師専用コミュニティサイト「MedPeer」に会員登録をする医師
調査期間:2015年11月12日(木)~2015年11月16日(月)
有効回答:1051名

文/編集部

参照元 : @DIME


2人に1人が予備軍!? 入浴中のヒートショック危険度診断

2017/1/29(日) 19:30配信



■寒い冬に注意したい「ヒートショック」とは?
まだまだ寒い日が続きます。寒いと熱いお風呂や温泉が恋しくなりますが、正しい入浴法を知らないと「ヒートショック」を起こす危険があります。この冬にも俳優の平幹二郎さんが入浴中に亡くなったことが報道されましたが、死因がヒートショックであった可能性も示唆されています。

「ヒートショック」とは、間違った入浴法により急な血圧上昇が引き起こされ、身体に悪影響が及ぶこと。正式な医学用語ではありませんが、最近使われるようになった言葉です。急激な温度差で交感神経が強く刺激されることで、血圧の急上昇がもたらされ、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを高めてしまうのです。特に気温が低くなる冬には、入浴前後の危険性が指摘されています。

ご存知の通り、お風呂は正しい方法で入浴すれば、健康に良い生活習慣のひとつです。安心、安全に入浴をするために、ヒートショックのリスクや予防、対策方法について知っておきましょう。

■「ヒートショック予備軍」は約5割!? 最新の意識調査結果
給湯機メーカーにとってもヒートショック対策は重要な課題です。リンナイ株式会社では、入浴習慣の実態を探るべく、全国の20~70代の男女合計960人を対象に、「入浴習慣」と「入浴時のヒートョック」に関する意識調査を実施しました(2016年10月)。

結果を簡単にまとめると、「冬の入浴危険度」の高いヒートショック予備軍の人は、全国どこでも、どの世代でも予想以上に多いことが分かったのです。調査結果として、6項目を以下に示します。

1.ヒートショック危険度数の高い「ヒートショック予備軍」は、約5割と多数いる。

2.予備軍が多い中、対策ができている人はわずか約3割。メタボ、糖尿病、高血圧など、もともとヒートショックのリスクの高い人ほど対策をしている人は少なく約2割。

3.ヒートショック認知率は7割。しかし4割が言葉を知っているだけで、ヒートショックの詳細を理解していない。

4.年末年始は宴会の多いシーズン。 危険な飲酒後の入浴経験者は約6割と多数。若い人も油断できない。

5.42℃以上の危険な浴槽入浴を行っている人が4割もいる。70代が最も多い。

6.冬場の浴室は「寒い」が約7割。九州が1番寒く、北海道が寒くないという意外な結果に。浴室が寒いとヒートショックのリスクが大きい。

なお、この調査の実施・とりまとめに、お風呂・温泉ガイドである筆者も協力しました。

■あなたの「ヒートショック危険度」診断
それでは、今回の調査で用いた「ヒートショック危険度簡易チェックシート」でセルフチェックをしてみてください。以下の10項目であなたに当てはまるものを数えてみてください。

1.メタボ、肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症、心臓・肺や気管が悪いなどと言われたことがある

2.自宅の浴室には暖房設備がない

3.自宅の脱衣室に暖房設備がない

4.1番風呂に入ることが多いほうだ

5.42度以上の熱い風呂が大好きだ

6.飲酒後に入浴することがある

7.浴槽に入る前のかけ湯をしない、または簡単にすませるほうだ

8.シャワーやかけ湯は肩や体の中心からかける

9.入浴前に水やお茶など水分をとらない

10.1人暮らしである、または家族に何も言わずにお風呂に入る

さて、あなたはいくつ当てはまりましたか?

■ヒートショックの予防・対策方法と注意点
当てはまるものが多ければ多いほど危険が高いと言えますが、目安として5個以上にチェックがついた場合、「ヒートショック予備軍」と診断します。チェックシートの解説とともに、対策をおさらいしてみましょう。

メタボなどがあると、若くても動脈硬化が進みやすくなるため油断はできません。また、動脈硬化を患うと、ヒートショックによって脳卒中などの大きな病気に罹りやすくなってしまいます。これらに該当する方は特に、入浴前にシャワーで浴室を温め、脱衣室は暖房で、ともに20℃以上になるようにしましょう。

また、1番風呂は浴室が温まっていないことが多く、リスクも高くなります。血圧を急上昇させないよう、湯は40℃以下にして十分にかけ湯をします。入浴前は飲酒を控え、しっかり水分補給することが、血液ドロドロによる脳梗塞・心筋梗塞を防ぎます。万一の場合に備えて家族がいる人はひと声かけてから入浴しましょう。

まだまだ寒い日が続きますが、ちょっとした工夫でヒートショックは防げます。安全な入浴法を心がけて、寒い冬を元気に乗り切りましょう!

早坂 信哉

参照元 : All About


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