2016年5月10日火曜日

抗菌・殺菌成分「トリクロサン」が入った薬用石鹸やハンドソープ、シャンプー、歯みがき粉は危険!環境ホルモン作用、皮膚に浸透

花王ハンドソープ『ビオレU』はEUで使用禁止の殺菌成分「トリクロサン」入り 環境ホルモン作用、皮膚に浸透

17:53 08/12 2015 植田武智



殺菌・消毒効果をうたった薬用石けん・ハンドソープに使われる有効成分「トリクロサン」が、EUで使用禁止された。欧州連合の専門機関である欧州化学機関が6月25日に決定した。

薬用石けんは、普通の石けんと比べても感染症予防効果に差はなく、逆に耐性菌を発生させるリスクが上がる研究結果が示されており、トリクロサンには環境ホルモン作用が指摘され、皮膚を通して体内に取り込むこともわかっている。

そのためP&GやJ&Jなど海外の大手トイレタリー企業はすでに使用中止を表明。一方、日本では花王「ビオレU」やマンダム「ルシード」など薬用ソープやシャンプーで相変わらず使用中だ。

歯磨き粉やマウスウォッシュなどは歯肉炎予防効果があるとして海外でも使用されているが、欧州では安全性に懸念ありとして2014年に配合濃度上限値を下げた。日本では、配合上限規制がなく、企業も企業秘密扱いで情報開示しない。(トリクロサンを使った薬用石けん・ハンドソープ、マウスウォッシュ・歯磨き粉の一覧表付き)

【Digest】
◇トリクロサンが欧州連合専門機関で使用禁止に
◇アメリカでも再評価中
◇海外メーカーはいち早く使用自粛を公表
◇日本でトリクロサンを使った薬用石けん・ハンドソープ一覧
◇花王「配合量は企業秘密」厚労省「配合上限定めてない」
◇トリクロサンが欧州連合専門機関で使用禁止に


「1日何度も洗うみんなの手に、うるおい守って、しっかり洗える」とCMで宣伝する花王の「ビオレU泡ハンドソープ」。含まれている有効成分は「トリクロサン」という殺菌剤だ。

「薬用:殺菌・消毒」と表示されており、あたかも殺菌成分が無いと効果が無いように思わせている。しかし風邪や下痢をはじめとする感染症予防に、薬用石けんは本当に有効なのか?

海外で行われた数百人規模での薬用石けんと普通のせっけんを使い続けたグループを比べた4件の調査で、感染症の発症頻度を調べた結果、普通のせっけんと比べて効果の差はみられなかった。

普通のせっけんでも流水でよく洗うことで細菌やウイルスは洗い流されるので、十分効果があるということだ。

効果が無いだけならばまだよいのだが、これらの調査では、殺菌剤入りの薬用石けんを使い続けることで、一部の細菌が耐性を獲得し、さらにトリクロサン以外の殺菌成分や抗生物質へ耐性をもった菌を増やす可能性も示されている。

さらにトリクロサンは、分解されにくく、体内のホルモンをかく乱する環境ホルモン作用が指摘され、海外では大きな問題になっている。

欧州連合では、農業用途以外の殺虫剤・殺菌剤を規制する法律が存在する。「殺生物剤規制」といい、人間用の衛生用品や、家具やカーペット消毒など用途によって使える成分を規制している。

この殺生物剤規制を所管する欧州化学機関(ECHA)という専門機関が6月25日、人の皮膚へ直接塗ることによる殺菌効果を目的とする衛生用品へのトリクロサンの使用を禁止する決定を下した。

規制の理由は、環境への影響と人体への影響の二つが指摘されている..

参照元 : my news japan


買ったらヤバいハンドソープ・石けん・歯みがき粉まとめ

8/19/2014



ちょい前に「トリクロサンが入ったハンドソープやシャンプーを買ってはいけない」ってのを書きました。ざっくり言えば、殺菌成分のトリクロサンは環境ホルモンとして働くので、アレルギーが出たり、体重が異常に増えたりといった悪さをするよ!って話です。

で、また新しい論文(1)が出まして、今度はトリクロカルバンもヤバいって話になってきました。

こちらもトリクロサンと同じく殺菌力が強く、ハンドソープ、シャンプー、歯みがき粉などなど、いろんなものに入っている成分。こいつが入った商品を使うと、体内に一定量が残留しちゃって、やはり環境ホルモンとして悪影響を引き起こすみたい。

研究者いわく、

この成分はあらゆる商品に使われています。成分が入った商品を買わなかったとしても、公共スペースやレストランなどでリスクにさらされる可能性はあるでしょう。ただし、心配しすぎもよくありません。自分の常識に従って行動すればいいのです。まずは、殺菌剤の入った商品を買わないこと。これが大事な最初のステップです。

とのこと。国内でトリクロカルバンやトリクロサンが入った商品というと、

・薬用石鹸ミューズ
・コラージュフルフル石鹸
・ビオレU薬用ハンドソープ
・ナイーブ 薬用ハンドソープ
・薬用ハンドソープ メディキュッ
・薬用ピュオーラハミガキ
・ディープクリーン薬用ハミガキ
・GUM(ガム) 薬用 デンタルリンス
・GATSBY (ギャツビー) バイオコア デオドラント
・ローランド 柿渋エキス配合石鹸
・メディッシュ薬用ハンドソープ
・SK-II フェイシャル トリートメント

などなど。かなり有名製品にも入ってますねぇ。これでもまだ氷山の一角なんで、とりあえず「薬用」とか「抗菌」とか書いてある商品は疑ってかかるのがよさげ。

じゃあ何買えばいいんだ!って話ですが、とりあえずシャボン玉石けんさんの商品でいいんじゃないでしょうか。基本的に植物油脂の石けん素地しか使ってないので、悪さをしようがないですし。

参照元 : パレオな男


身の回りの「殺菌剤」がマイクロバイオームを乱している:研究結果

2016.07.30 SAT 08:00

薬用ハンドソープや歯磨き粉といった身の回りの製品に含まれる殺菌剤は、健康に密接にかかわっているとして近年注目される身体の微生物群「マイクロバイオーム」に悪影響を与えているという。薬品にまみれた状態が当たり前になった現代の社会において、その危険性は広く認知されていない。



米国のバスルームや清掃道具の戸棚を探せば、殺菌剤入りの製品がすぐに見つかる。最も一般的な殺菌剤のひとつであるトリクロサンは、薬用ハンドソープの約75パーセントに入っている。

米国疾病予防管理センター(CDC)が米国人2,517名を対象に尿検査を実施したところ、75パーセントからトリクロサンの痕跡が検出されたという。これほど至るところに存在するにもかかわらず、こうした殺菌剤の大部分には規制がなく、科学者たちはそれらが健康に与える影響を把握していない。

マイクロバイオームの危機

『Science』誌オンライン版に7月22日付けで発表された意見論文では、シカゴ大学で微生物を研究するアリソン・イーとジャック・ギルバートが、この状況を変える必要性を訴えている。

2人は、こうした殺菌剤との接触がどれほどたやすいものであるかについて述べている。トリクロサンは薬用ハンドソープに限らず、一部のウェットティッシュや歯磨き粉、化粧品、洗剤、まな板、おもちゃ、プラスティック製品などにも含まれているのだ。

トリクロサンは、経口と皮膚を経由して体内に取り込まれる。人体の中に存在しているほか、母親から胎児に移ることもある。複数の研究によると、赤ん坊は誕生直後から殺菌剤に晒されることがわかっている。これは、殺菌剤に大きく依存している病院出産を行った場合に特に顕著だ。

論文では、体内のマイクロバイオーム──われわれの体内や体表に存在する、健康に大きな影響を与える微生物の集まり──が形成される初期段階で殺菌剤に晒されることにより、わずかではあるが長期的に健康に影響を与える可能性があると記されている。殺菌剤が人間のマイクロバイオームを混乱させることで、神経疾患から関節炎、アレルギー、肥満、過敏性腸症候群まで、広範にわたる症状が起こる可能性があるからだ。

実験生物として利用されるゼブラフィッシュなどの小さな魚を使った複数の研究により、トリクロサンによって実際に腸内のマイクロバイオームが大きく変化することがわかっている。魚の場合、トリクロサンを取り除くと腸のマイクロバイオームの状態は元に戻る。しかし人工的につくられたマイクロバイオームを用いた研究では、トリクロサンに晒されることによって細菌のコミュニティは恒久的に変化したという。

薬品漬けの社会

スタンフォード大学とコーネル大学の研究者は2016年5月、人間におけるトリクロサンの影響についての調査結果を発表した。

13人のボランティアを2つのグループに分け、ひとつのグループはトリクロサンを含む製品を4カ月、その後含まない製品をさらに4カ月使ってもらった。もうひとつのグループは反対に、トリクロサンを含まない製品を4カ月、その後含むものを4カ月使ってもらった。

8カ月後、2つのグループの口腔内と腸内のマイクロバイオームには統計的な違いはなかったという。また、トリクロサンを意図的に使っていないグループの尿からもトリクロサンは検出されている。「(現代の社会では)人は生まれる前から日常的にトリクロサンへ晒されているため、人間のマイクロバイオームはすでにこうした環境に適応しているのかもしれない」と研究者らは指摘している。

米食品医薬品局(FDA)では現在、ハンドソープに含まれるトリクロサンの安全性と利点が再検討されている。EUと米国ミネソタ州では、市販品に含まれる殺菌剤を部分的に禁止する議案が可決されている。

なお、普通に手を洗う状況では、薬用ハンドソープのバクテリアを落とす効果は「普通の石けんと水」と変わらないことが研究からわかっている。

参照元 : WIRED.jp





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