2018年8月25日土曜日

睡眠不足は精神を崩壊させあなたを孤独にし、魅力を奪い、人に孤独を伝染する

睡眠不足はあなたを孤独にし、魅力を奪い、人に孤独を伝染する──研究結果

2018年08月21日(火)16時00分



熟睡しないと人間関係も悪化する?

<人に囲まれ愛されていた人も睡眠不足のせいで自ら孤独に飛び込んでしまう危険性がある......ちょっと怖い研究結果が発表された>

社会的動物である人間にとって、孤独は何よりも恐ろしく危険なものだ。孤独や社会的孤立のもたらす健康リスクへの認識も少しずつ広まっている。

そして先日、睡眠不足が人を孤独にさせるという興味深い研究結果が発表された。もともと人に囲まれていて愛されていた人でも、睡眠不足のせいで自ら孤独に飛び込んでしまう危険性がある......というちょっと怖い内容だ。

自ら孤独に突き進み、人が近寄ってくるのが怖くなる 学術ジャーナル「ネイチャー・コミュニケーションズ」が発表した研究結果によると、睡眠不足の人は孤独を感じやすく、他者との交流に消極的になるそうだ。この注目すべき結果は、英ガーディアン紙やインデペンデント紙、CBSニュースなどが報じた。

同研究の上席著者で、心理学・神経科学が専門のカリフォルニア大学バークレー校教授マシュー・ウォーカーは「我々人間は、社会的動物です。しかしながら、睡眠不足のせいで社会から孤立してしまうリスクがあるのです」と述べている。

実験は、健康な若者18名を集めて、熟睡した後と睡眠不足の状態の2回に分けて実施された。複数の人間が画面に向かって歩いてくるビデオを被験者に見せ、「近すぎる」と感じたところでビデオを停止するよう命じた。睡眠不足の場合、熟睡できている時に比べて、画面の中の人たちがより遠い位置に人間が映っている時点でビデオを止めていたことがわかった。「近すぎる」と感じる位置は被験者によりばらつきがあるが、最も差の大きい被験者だと、熟睡時に比べ睡眠不足時は距離が60%も遠い位置だった。つまり、睡眠不足の時の方が他人と物理的距離を取りたくなるということだ。

さらに、睡眠不足の被験者の脳を実験中にスキャンしたところ、恐怖を感じる脳の部分が活発に動いていたこともわかった。人が近寄ってくるのが怖い、と感じてしまうようだ。

このように睡眠不足の状態では人と関わることに恐怖を感じるようになり、自ら孤独に突き進んでしまう。

よそよそしい態度は他人から見て魅力減
さらに、そのようなよそよそしい態度は、その人が本来持っていた人間的な魅力を伝わりにくくしてしまう。たとえ一瞬だけの交流でも、良質な睡眠をとれている人からは「あの人、なんだか感じ悪い!」と思われてしまう可能性があるという。

同研究結果では「睡眠不足の人間と交流した人々は、それがたとえ1分ほどの短い交流であっても、自分が孤独だと感じやすい。つまり、睡眠不足によって引き起こされた当人の社会的孤立の感覚が他の人にも感染するということだ」と述べている。

充分な睡眠をとれている人が友好的な態度で接しようとして、前述のようなよそよそしい態度を取られたら「自分は嫌われているのだろうか?」「何か悪いことをしたかな?」と寂しい気持ちになるのは自然なことだ。睡眠不足による孤独感は、本人のみならず、関わる人に大なり小なり孤独の影響を及ぼすということだ。

睡眠不足時のこのような変化について、米ヴァージニア州シャーロッツビルの神経学者で『ザ・スリープ・ソリューション』の著者W・クリストファー・ウィンターは、睡眠不足時の脳はサバイバル・モードに突入し、生命維持にとって優先順位の低い行動をカットしようとするのだと米タイム誌の取材に対して説明している。その結果、多くの場合社交的でなくなるのだそうだ。

さらに、サバイバル・モードであるため、些細なことにもオーバーリアクションで反応しがちになる。カリフォルニア大学ロサンゼルス校の臨床心理学者で睡眠療法の専門家であるジェニファー・L・マーティンは、「(いつもより過敏に反応する結果)周囲と衝突しやすくなり、人間関係の満足度が低くなる」と解説している。

では、何時間くらい眠るのが健康にベストなのだろう。英ガーディアン紙などが報じた最新の研究結果によると、あまり長すぎると今度は早死のリスクが高まるそうだ。同研究では、10時間以上眠っている人は脳卒中による死亡リスクが56%、心血管疾患による死亡リスクが49%高くなることが明らかになった。ちなみに、成人のベストな睡眠時間は7~8時間だという。個人差はあるはずで難しいところだが、短すぎても長すぎても健康に良くないということだ。

いずれにせよ、身体的な辛さとともに、寂しい気持ちになり、喧嘩も多くなって人間関係が悪化するとなると、睡眠不足がいかに有害かおわかりいただけるだろう。

参照元 : newsweekjapan


睡眠不足になると脳は自らを食い始め、ダメージを負う(イタリア研究)

2017年06月05日



睡眠はエネルギーを回復するためだけのものではない。起きている間に溜まった神経活動の毒素をきれいにするという作用もあるのである。

ところが睡眠不足が常態化すると神経細胞やシナプスの接続が消えてしまうのだそうだ。そのダメージは睡眠では回復しないかもしれない。

睡眠不足が脳にダメージ 人体の中の細胞と同じく、脳内の神経細胞は2種のグリア細胞(神経系の接着剤と呼ばれる)によって常に刷新されている。

ミクログリアは古く、ぼろぼろになった細胞を食作用というプロセスを通じて一掃する。アストロサイトは不要なシナプスを取り除き、接続を再形成する。

こうしたプロセスが起きるのは睡眠中であり、これによって起きている間にぼろぼろになった神経を処理することが知られている。

ところが、それと同じことが睡眠不足によっても発生するらしいことが分かった。そして、これは歓迎すべきものではなく、むしろ脳にダメージを負わせるものらしい。

睡眠中のそれがゴミ掃除のようなものだとすれば、睡眠不足によるそれは、徹夜明けに誰かがやってきてテレビや冷蔵庫など家の中を手当たり次第に散らかしていったようなものだ。



慢性的睡眠不足はシナプスを破壊
伊マルチェ工科大学のミケーレ・ベレッシ(Michele Bellesi)氏の研究チームは、これを調査するために、次の4グループのマウスの脳をスキャンした。

・6~8時間眠ったままにされたグループ(休息グループ)
・睡眠中、定期的に起きていたグループ(自発覚醒グループ)
・通常より8時間長く起きていたグループ(睡眠不足グループ)
・5日間眠っていないグループ(慢性的睡眠不足グループ)

グループ間のアストロサイトの活動を比較したところ、休息グループではシナプスの5.7パーセントでこれが特定されたが、自発覚醒グループでは7.3パーセントのシナプスであった。

睡眠不足/慢性睡眠不足グループの場合少々異なり、アストロサイトの活動が上昇していた。ミクログリアが廃棄物を食べるのと同じように、シナプスを食べていたのである。

睡眠不足グループの脳では、シナプスの8.4パーセントでアストロサイトが活性化しており、慢性睡眠不足グループでは、13.5パーセントで活性化していた。

睡眠不足/慢性睡眠不足グループで食われていたシナプスの大半は最も大きなものであった。これは言わば”おんぼろの家具”のように古く、酷使されたシナプスであり、もしかしたらいいことなのかもしれない。

しかし4グループのミクログリアの活動を調査すると、慢性的睡眠不足グループでのみ蓄積していることが判明した。

懸念されるのは、野放図なミクログリアの活動とアルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患との関連が指摘されていることだ。



アルツハイマーとの関連性
急性の睡眠不足と慢性的な睡眠不足の後にアストロサイトの食作用が起きていることは、おそらくは酷使され疲れ切ったシナプスを再生させるためだと考えられる。

対照的に、慢性的睡眠不足でのみ増加するミクログリアの場合、長期的な睡眠不足によって脳が損傷する可能性が推測される。

こうした現象がそもそも人間の脳でも起きるのか、また睡眠によってダメージが回復するのかどうかなど、不明な点はまだまだ多い。

しかしアルツハイマー病による死は、1999年以来50パーセントも増加しており、この間同時に健全な睡眠時間も損なわれている。両者の間に関係があるのかどうか早急に確かめなければならない。

via:jneuroscisciencealertなど/ translated hiroching / edited by parumo

参照元 : カラパイア 不思議と謎の大冒険







0 件のコメント:

コメントを投稿