2018年8月18日土曜日

タバコの禁煙にマジックマッシュルームが効果的 離脱症状が緩和「重度のうつ病」治療にも有効

「禁煙にはマジックマッシュルームが効果的」最新研究が衝撃的すぎる! 幻覚成分で離脱症状も緩和することが判明!

2018.08.09



つらい禁煙治療に新たな助っ人が現れるかもしれない。マジックマッシュルームに含まれる幻覚成分がニコチンの離脱症状の辛さを忘れさせ、中毒からの回復を手助けするというのである。今月3日付の英「Daily Mail」が報じている。



■禁煙の辛さを幻覚剤でまぎらわす

「喫煙は公衆衛生における悩みの種であるが、有効で信頼できる治療法はない」

禁煙治療の研究に携わる米ジョンズ・ホプキンズ・ブルームバーグ公衆衛生大学院のテシーン・ヌーラーニ氏は、禁煙の難しさをこのように述べている。今年7月、ヌーラーニ氏らはシロシビンという成分を用いた試験的な禁煙治療についての論文を専門誌「Journal of Psychopharmacology」に発表した。それによると、シロシビンを併用した心理療法は禁煙治療に目を見張るような効果を発揮していたという。

シロシビンは幻覚作用を持つアルカロイドの一種で、摂取すると視覚や聴覚に様々な変化が現れ、幸福感や一体感を感じるという。マジックマッシュルームなどのキノコは古くから宗教儀式に用いられ、神秘体験をもたらすことで知られているが、その作用を引き起こしているのがシロシビンである。



日本では『麻薬および向精神薬取締法』の対象とされて厳しく規制されているシロシビンであるが、毒は使いようによっては非常に役に立つ薬にもなりうるのはご存じの通りである。効果が高く依存性も低いとされることから、最近ではシロシビンのうつ病や群発頭痛への応用が研究されている。禁煙治療のそのうちの一つである。

今回の論文は2009〜2015年に治療試験に参加した15人の追跡調査をまとめたものである。15人のうち12人を平均30カ月後に面接して聞き取り調査したところ、うち9人が禁煙に成功しており、2人は喫煙を再開、1人は付き合いのときだけ喫煙するようになっていた。

参加者によれば、シロシビンの摂取による様々な精神的な経験がニコチン離脱症状の辛さを忘れさせてくれたという。治療の効果は禁煙だけではなかった。参加者らは審美的な鑑賞力や利他主義、社会的な行動という点でも良い影響があったと、治療の副次的な効果も報告している。

まさに「毒をもって毒を制す」というような治療であるが、喫煙は世界的にも大きな問題であり、有効な治療法の確立が急がれている。治療によってタバコは止められたがシロシビン中毒になってしまった……というのでは本末転倒であるが、そのようなデメリットなく治療できるのであれば、禁煙したい人にとってはまさに朗報であろう。今後の研究に期待したいところだ。

(編集部)

参考:「Daily Mail」「Journal of Psychopharmacology」ほか

参照元 : TOCANA


マジックマッシュルームが「重度のうつ病」治療に有効:研究結果

2016.05.30 MON 17:00

インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)が行った臨床試験により、マジックマッシュルームの幻覚作用成分「シロシビン」は「治療抵抗性うつ病(TRD)」にも作用することがわかった。



マジックマッシュルーム(古代メキシコのシャーマニズムなどで使われてきた幻覚性キノコ)の幻覚作用成分「シロシビン」が、小規模の臨床試験でうつ病の症状を改善したという研究成果が、医学誌『The Lancet』に発表された(PDFファイル)。

シロシビンがいわゆる「治療抵抗性うつ病(TRD)」にも作用しうることを示した今回の研究は、うつ病に対する革新的な治療法の基礎を築くかもしれない。

シロシビンは各国で所持や使用が禁止されているが、この研究論文のシニアオーサー(最終著者)である教授のデヴィッド・ナットは「われわれの研究は、シロシビンを慎重に投与した場合、うつ病患者の治療に有用かもしれないということを示している」と述べている。

インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)の研究チームによって行われた今回の臨床試験では、12人の参加者(30~64歳の男性6人と女性6人)に対してモニタリングが行われた。参加者全員に対して、シロシビンが投与されていることが知らされていた。参加者は全員、過去に抗うつ剤の投与を少なくとも2クール受けていたが、治療の効果はなかった。また、うち11人は心理療法も受けていた。

今回の臨床試験の実施にあたり、過去に自殺未遂をしたことがある、あるいはほかの精神障害の病歴がある患者は対象から除外された。

参加者グループは、シロシビンのカプセル1錠を、7日間隔で2回に分けて与えられた。患者たちはシロシビンが投与されたあと、少なくとも3週間「うつ病症状の軽減」を示した。うち7人は治療後、最長「3カ月間」好ましい反応を示しつづけた。

参加者たちは、この治療により「リラックス」した気分と「概ね快適で、時に素晴らしい」経験がもたらされたと報告したという。

「幻覚剤は精神に強い影響を及ぼすものであり、われわれの研究においては、慎重なスクリーニングや専門の治療サポートなどの適切な予防措置が講じられている場合にのみ投与されている」と筆頭著者のロビン・カーハート=ハリス博士は述べている。

なお、今年5月に『Nature』に発表された研究は、麻酔薬「ケタミン」(日本では麻薬指定)の代謝物質には、マウスに対する抗うつ効果があるとした(英国では2014年に、難治性のうつ病に対するケタミンの使用が承認されたが、長期的な効果や安全性に関しては疑問も提示されている)。

また、ICLの別の研究チームは2016年4月、LSDの影響で脳が「一体化」するという研究も発表している(日本語版記事)。

参照元 : wired




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