2018年8月27日月曜日

10代の頃に高IQだった高齢者は、そうでない人に比べて若々しさを保っていることが判明

【衝撃】IQが高い人ほどゆっくり年を取ることが判明! 知性と健康リスク、「主観年齢」の謎(最新研究)

2018.08.24

10代の頃に高IQだった高齢者は、そうでない人に比べて若々しさを保っている可能性があるという。一体なぜなのか? サイエンスメディア「Big Think」が報じている。



■主観年齢と健康

突然だが、自分を今何歳だと感じるだろうか? 実年齢とは関係なく、自分の心身を何歳だと思っているか? という質問である。この年齢を「主観年齢」というのだが、近年の調査で、うつ病や糖尿病など心身の病気、怪我、さらには死亡のリスクまでを予測する強力な指標となりうることが示されている。

当然のことながら、主観年齢が実年齢より低いほうが健康的といえる。逆の場合、つまり実年齢よりも主観年齢が高いほど、身体の活動が制限され、ストレスに弱くなり、病気にもかかりやすくなるという。主観年齢の高さを悲観してあまり体を動かさなくなり、ますます体調が悪化、さらに主観年齢が上がるという悪循環に陥ることもあるそうだ。英「BBC」の記事(7月19日付)は、主観年齢を高齢者のヘルスケア計画に取り入れるべきだと主張している。

■若い頃に高IQだと歳を取っても若い?

さて、この主観年齢について、最近興味深い調査結果が報告された。研究では米ウィスコンシン州で1937~1940年に生まれた人々を対象にした長期的な追跡研究(Wisconsin Longitudinal Study)を用い、4500人近くの人々について、1957年(高校生時代)のIQと2011年(平均年齢71歳)の主観年齢を統計解析した。すると、高校時代に高IQを示していた人々の70歳代での主観年齢は、そうでない人々に比べて若い傾向にあったというのである。論文は今年7月、専門誌「Intelligence」に掲載された。







なぜ若い頃にIQが高かった人々は、高齢者になったときの主観年齢が低いのか? 研究者らはその要因として、好奇心の強さを上げる。IQが高い人々は新たな経験を受け入れやすい傾向があり、興奮や驚きという感情が、若々しさの感覚につながるのではないかと考えているようだ。また、幼少期のIQが高いほどテロメア(染色体の末端にあり、細胞分裂のたびに短くなる)も長いという研究結果も存在しており、知性と生物学的な老化にはまだ知られていない関連があるのかもしれない。

もっとも、高IQの人々はおのずと教育レベルが高くなる傾向にあり、社会経済的に利益を享受しやすく、健康の増進に対する知識や実践の機会も豊富となりやすい。また、IQではなく「批判的思考」のスキルが人生をより賢明に、健康的に過ごす重要な要素であるという指摘も存在する。「Big Think」では、IQと主観年齢の関連を過度に単純化することはできないと釘を刺している。

若い頃のIQと歳を取ってからの健康度にどれだけの関連があるのかはまだまだ不明点が多い。しかし、好奇心が若々しさの秘訣という部分には大いにうなずける部分がある。幸いなことに、現代は様々な面白いこと、見知らぬものをいくらでも見つけられる時代だ。いくつになろうとも、新しいものへの興味や好奇心を失わずにいたいものだ。

(編集部)

参考:「Big Think」「BBC」「Intelligence」ほか

参照元 : TOCANA

0 件のコメント:

コメントを投稿