2015年7月10日金曜日

ポリエチレンなどの樹脂でできたユニークな「ソフトロボット」 介助用や人を和ませる癒やし系、立命大で実用化研究

軟らかロボット、介助や癒やしに 立命大で実用化研究

2015年07月09日 16時00分



ポリエチレンなどの樹脂でできたユニークな「ソフトロボット」の開発を、立命館大理工学部の川村貞夫教授の研究室が進めている。軟らかくて軽いため安全性が高いのが特徴だ。工場で働く産業用のほか、介助用や人を和ませる癒やし系ロボットへの応用を見込んでいる。

産業用ロボットの多くはフレームが金属製で油圧や電気を動力源にしている。力が強く、動きも正確だが、重くて硬く、人にぶつかったり、倒れ込んだりするとけがにつながる恐れがある。

こうした課題を解決するため、川村教授らは軽量で柔軟な樹脂を素材に用いて2種類のロボットを考案した。アームタイプは、スーパーの袋に使われるポリエチレンやクリアファイルの材料であるポリプロピレンでフレームを作り、重さを約500グラムに抑えた。空気圧で動き、最大1キロの重さを持ち上げられる。動作中にたとえ人がぶつかっても痛くない。

アクチュエーター(駆動装置)と呼ばれるイモムシタイプは、空気を送り込むとポリエチレンを折って作った体節が曲がり、人間の腕に巻き付けることもできる。2種類とも空気を抜くとコンパクトに収納できる。

いずれのロボットも表面の汚れを簡単に洗い流せることから、食品工場で食材をつかむなどの作業に向いているという。体が不自由な人の動作を助ける福祉分野も有望。風船のような形状を生かして映画のキャラクターに模して宣伝に使ったり、ゆるキャラのデザインなどで娯楽分野に活用したりすることも可能だ。

川村教授は「産業用ロボットにはより耐久性のある樹脂が必要なので、素材メーカーと共同開発に向けて協議している。福祉分野では昨年からニュージーランドの大学と国際共同研究を始めた。ほかにも関心を示す企業がいくつかある」と近い将来の実用化を期待している。

参照元 : 京都新聞

▼約1キロの重さを持ち上げられるアームタイプ(川村立命館大教授提供)





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