「人をお金で釣ると、世の中はよくなる」という不都合な真実が発覚!NPO幹部も暴露した2つの実話がヤバい!
2018.03.28
これは、悲惨な途上国の暮らしをよくしようと頑張って来たNPOの幹部から聞いた「アフリカのある国のある村の話」である。
■不都合な真実として“黙殺”されたワクチン
途上国の生活がよくならない原因はさまざまな構造がからまってできている。政治の腐敗、何十年にもわたる内戦、そして医薬品の不足と病気による高い死亡率…。すべては一度には変えられないが、先進国からの援助で比較的少ないコストで効果があがるのが病気の予防だそうだ。病気にかかってしまう前に予防できれば、必要な医薬品の援助は100分の1のコストで済む。
「手洗いの習慣、清潔な飲み水の確保、蚊帳の普及」といった施策だけで多くの病気が防げる。ところが! 大半の住民は、普段はそういったことには無関心のうえ、子どもが重篤な状態になってからはじめて病院を訪れ、なんとか薬で治してくれと親たちが悲壮な顔で訴えかける。
たとえ幸運にも抗生物質が手に入ったとしても、子どもの命を救うためには彼らにとっての数カ月分の収入を支払う必要がある。家族の病気は彼らの貧しさをいっそう深めてしまうのだ。そうならないための施策として、NPOが推進する乳幼児に対するワクチン接種は有効だ。しかし不思議なことにいくらNPOがそのことを訴えても、住民は無料のワクチン接種にやってこない。子どもを連れて近隣の村の病院に行くと、1日仕事ができなくなって2ドルの日収を失ってしまう上、ワクチンを打っても病気にはかからないかもしれないからだ。そこでNPOがある実験を行った。ワクチンの接種を受けに子どもを連れてきた母親には家族一日分の食糧になる豆を配ったのだ。NPOのコストにしたらひとり数十セントぐらいの贈り物なのだが、これが劇的に状況を変えた。
それまで数%の下の方の接種率だったワクチン事業だが、それをやった地域ではなんとその地域の母親の40%がワクチン接種にやってきたのだ。
「つまりちょっとだけお金をばらまいただけで、その地域の乳児の病気の罹患率が大きく下がって、治療に必要な医薬品がたくさん節約できたのです」
そうNPOの幹部は語るのだが、この結果はNPOを支援するより上の団体からは不都合な真実として黙殺されたそうだ。お金を配って貧しい人を集めるのは不謹慎だというのである。
■ハーバード大の驚愕実験がなぜか炎上
こんな話もある。ハーバード大学の教授が子どもにインセンティブを与えることで成績が向上するかどうかをいくつかの都市で実験した。
ダラスの学校では小学校2年生の子どもに「本を読んで、その本に関するクイズに正しく答えられたら2ドルもらえる」というプログラムを実施した。
子どもたちは平均して7冊の本を読んで14ドルを手にした。そしてその年の終わりの共通テストではこのプログラムを実施した学校の生徒は、実施しなかった学校の生徒よりも高い成績をおさめた。
さらに興味深いことにプログラムを終えた翌年も本を読んで14ドルをもらった子どもたちのいる学校の成績は、そうでない学校よりも高くなった。つまり読解力が備わる小学校低学年の時期に本を読む習慣ができたことで、学力があがったのだ。
ただしインセンティブを与える正しいタイミングというものもあるらしい。ニューヨークでは日本の中学1年生にあたる生徒たちにテストでよい成績をとると50ドルもらえるというプログラムを実施した。多くの子どもが試験で頑張って50ドルを手にいれた。
しかしそれらの子どもは期末の共通試験では成績はまた元に戻ってしまったのだ。調べてみると彼らは勉強したのではなく試験でいい成績をとるためのテクニックを磨いたようだ。それは「試験の問題をもっと慎重に読む」といったレベルの技術だった。起きたことは50ドルをもらえる試験ではしっかりと取り組んで、そうでない共通試験ではふつうに試験を受けただけだった。
どうやらニューヨークの中学生ともなるとたかが50ドルではまじめに勉強しようというインセンティブはなくなるようだ。ただしそれが1000ドル(約10万円)だったら話は違ったかもしれないが。
さて、アメリカ社会では大学への進学率は驚くほど低い。貧困から抜け出すには大学に進学するというのは重要なステップである。結果としてダラスの小学校からは、大学に行くことで負のサイクルから抜け出すことができた少年少女が何人か出たはずだ。
お金で貧困を減らせることはわかったが、これらの実験はマスコミが気づいて報道合戦を始めたとたん、炎上した。医療や教育の場にお金を報酬として導入するというのは、理知的で常識的なひとたちには我慢ならない取り組みに映ったのだろう。
実際には人をお金で釣るというのは人を動かすにはとても有効な手段である。途上国の貧困を減らすとか、先進国の中での貧しいひとたちを救い出すためにも本当は有効なのだが、おおっぴらになってしまうとそれは上のひとたちには不都合な真実になってしまうようだ。
結局、許されるのは先進国の大企業の経営者が社員をお金で釣る方法だけ。先進国はますます富み、貧しい国の貧しい人たちは貧しいままというメカニズムができてしまうのである。
(文=王山覚/グローバルコンサルティングファームに勤務するビジネスウォッチャー)
参照元 : TOCANA
2018.03.28
これは、悲惨な途上国の暮らしをよくしようと頑張って来たNPOの幹部から聞いた「アフリカのある国のある村の話」である。
■不都合な真実として“黙殺”されたワクチン
途上国の生活がよくならない原因はさまざまな構造がからまってできている。政治の腐敗、何十年にもわたる内戦、そして医薬品の不足と病気による高い死亡率…。すべては一度には変えられないが、先進国からの援助で比較的少ないコストで効果があがるのが病気の予防だそうだ。病気にかかってしまう前に予防できれば、必要な医薬品の援助は100分の1のコストで済む。
「手洗いの習慣、清潔な飲み水の確保、蚊帳の普及」といった施策だけで多くの病気が防げる。ところが! 大半の住民は、普段はそういったことには無関心のうえ、子どもが重篤な状態になってからはじめて病院を訪れ、なんとか薬で治してくれと親たちが悲壮な顔で訴えかける。
たとえ幸運にも抗生物質が手に入ったとしても、子どもの命を救うためには彼らにとっての数カ月分の収入を支払う必要がある。家族の病気は彼らの貧しさをいっそう深めてしまうのだ。そうならないための施策として、NPOが推進する乳幼児に対するワクチン接種は有効だ。しかし不思議なことにいくらNPOがそのことを訴えても、住民は無料のワクチン接種にやってこない。子どもを連れて近隣の村の病院に行くと、1日仕事ができなくなって2ドルの日収を失ってしまう上、ワクチンを打っても病気にはかからないかもしれないからだ。そこでNPOがある実験を行った。ワクチンの接種を受けに子どもを連れてきた母親には家族一日分の食糧になる豆を配ったのだ。NPOのコストにしたらひとり数十セントぐらいの贈り物なのだが、これが劇的に状況を変えた。
それまで数%の下の方の接種率だったワクチン事業だが、それをやった地域ではなんとその地域の母親の40%がワクチン接種にやってきたのだ。
「つまりちょっとだけお金をばらまいただけで、その地域の乳児の病気の罹患率が大きく下がって、治療に必要な医薬品がたくさん節約できたのです」
そうNPOの幹部は語るのだが、この結果はNPOを支援するより上の団体からは不都合な真実として黙殺されたそうだ。お金を配って貧しい人を集めるのは不謹慎だというのである。
■ハーバード大の驚愕実験がなぜか炎上
こんな話もある。ハーバード大学の教授が子どもにインセンティブを与えることで成績が向上するかどうかをいくつかの都市で実験した。
ダラスの学校では小学校2年生の子どもに「本を読んで、その本に関するクイズに正しく答えられたら2ドルもらえる」というプログラムを実施した。
子どもたちは平均して7冊の本を読んで14ドルを手にした。そしてその年の終わりの共通テストではこのプログラムを実施した学校の生徒は、実施しなかった学校の生徒よりも高い成績をおさめた。
さらに興味深いことにプログラムを終えた翌年も本を読んで14ドルをもらった子どもたちのいる学校の成績は、そうでない学校よりも高くなった。つまり読解力が備わる小学校低学年の時期に本を読む習慣ができたことで、学力があがったのだ。
ただしインセンティブを与える正しいタイミングというものもあるらしい。ニューヨークでは日本の中学1年生にあたる生徒たちにテストでよい成績をとると50ドルもらえるというプログラムを実施した。多くの子どもが試験で頑張って50ドルを手にいれた。
しかしそれらの子どもは期末の共通試験では成績はまた元に戻ってしまったのだ。調べてみると彼らは勉強したのではなく試験でいい成績をとるためのテクニックを磨いたようだ。それは「試験の問題をもっと慎重に読む」といったレベルの技術だった。起きたことは50ドルをもらえる試験ではしっかりと取り組んで、そうでない共通試験ではふつうに試験を受けただけだった。
どうやらニューヨークの中学生ともなるとたかが50ドルではまじめに勉強しようというインセンティブはなくなるようだ。ただしそれが1000ドル(約10万円)だったら話は違ったかもしれないが。
さて、アメリカ社会では大学への進学率は驚くほど低い。貧困から抜け出すには大学に進学するというのは重要なステップである。結果としてダラスの小学校からは、大学に行くことで負のサイクルから抜け出すことができた少年少女が何人か出たはずだ。
お金で貧困を減らせることはわかったが、これらの実験はマスコミが気づいて報道合戦を始めたとたん、炎上した。医療や教育の場にお金を報酬として導入するというのは、理知的で常識的なひとたちには我慢ならない取り組みに映ったのだろう。
実際には人をお金で釣るというのは人を動かすにはとても有効な手段である。途上国の貧困を減らすとか、先進国の中での貧しいひとたちを救い出すためにも本当は有効なのだが、おおっぴらになってしまうとそれは上のひとたちには不都合な真実になってしまうようだ。
結局、許されるのは先進国の大企業の経営者が社員をお金で釣る方法だけ。先進国はますます富み、貧しい国の貧しい人たちは貧しいままというメカニズムができてしまうのである。
(文=王山覚/グローバルコンサルティングファームに勤務するビジネスウォッチャー)
参照元 : TOCANA
欲望は世界を救う— 黒川 (@kurokawa92) 2018年3月29日
「人をお金で釣ると、世の中はよくなる」という不都合な真実が発覚!NPO幹部も暴露した2つの実話がヤバい! https://t.co/6JAwPC5Vnv @DailyTocanaさんから
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