薬4剤併用で命の危険 異常な薬漬けの日本人、副作用死は年10万人以上?
2015.05.21
私たちが病院に行って身体の不調を訴えれば、医師から処方箋をもらって、調剤薬局で薬を買うことができます。また、街中にはドラッグストアや薬局が数多くあり、さまざまな薬を簡単に手に入れることができます。いずれも、身体の不調を改善したい、症状を止めたいと薬の作用を期待して購入します。
しかし、薬には必ずプラス(効果)とマイナス(副作用=毒性)があって、マイナスのほうが大きく出てしまうケースが多くあります。重篤な副作用が出た場合は死に至ります。
欧米では副作用死に関する調査研究も行われており、米国では年間推計10万6000人が副作用で死亡(全米医師会報、トロント大学のチームの研究報告)と具体的な数まで出ています。
世界一、薬を飲むのが好きな国なのに、残念ながら日本ではこのような「副作用死」に関する調査研究はなされていませんが、日本での副作用死はアメリカよりずっと多いと考えられます。
その最大の理由は欧米では「1剤処方」が基本、多くても2剤であるのに対し、日本では5剤以上の処方が当たり前になっているからです。筆者が確認しているケースでは、あちこちの医療機関で受診し、84剤を処方されていた人もいました。
特に、窓口の自己負担率が1割である75歳以上の高齢者には10剤以上を処方することもよくあります。体力が低下し、本来選択的に薬を処方しないといけない年代の方たちが目を覆いたくなるような“薬漬け”にされているのです。その結果、多くのおじいちゃん、おばあちゃんが命を落としていることは、容易に察しがつきます。
4剤以上の併用は危険
アメリカの医師が若いドクター向けに書いた名著『ドクターズルール425 医師の心得集』(クリフトン・K・ミーダー編、福井次矢訳/南江堂)には、医師が持つべき「薬に関する心得」として次のような提言が出てきます。
(1)4剤以上飲まされている患者は、医学の知識が及ばない危険な状態にある。
(2)薬の数が増えれば増えるほど、副作用のリスクは加速度的に増す。
(3)処方を中止しても、患者の状態が悪くなるような薬はほとんどない。
(4)可能ならば、薬の処方を全部やめる。それができないなら、できるだけ薬を出さないようにする。
(5)効いているのか疑問に思った薬は、たぶん効かない薬だ。
(6)「患者は処方通りに薬を飲まない」
この中で特に興味深いのは(1)で、最初に「4剤以上飲まされている患者は、医学の知識が及ばない危険な状態にある」と断定していることです。
もしそうだとしたら、いったいどれだけの日本人が「医学の知識が及ばない状態」にあるのでしょうか。4剤以上服用している日本人は、5~6人に1人はいるといわれているので、2000~2500万人が医学の知識の及ばない状態、言い換えれば、いつ副作用死してもおかしくない状態にあるのです。
(2)の「薬の数が増えれば増えるほど、副作用のリスクは加速度的に増す」ということも、肝に銘じておくべきことです。現在の日本では、10剤以上の併用も珍しいことではなくなっているからです。
いまだかつて、10種類以上の薬を20年以上も飲み続けるとどうなるのかという実験が行われたことはありません。そのため、どんなことになるかわからないまま、壮大なスケールで国民の薬漬けが進行しているのが日本の現状なのです。
無駄な薬が流通している現状
病気を治すのは、あくまでも本人の免疫力や自己修復機能であって、薬ではありません。薬は「症状を緩和する」役割を果たしている脇役にすぎません。つらい症状が出た場合に薬を飲むと楽になるので、病気を治しているように勘違いしがちなのです。
(6)の「患者さんは処方通りに薬を飲まない」という指摘は、米国よりも日本の患者に当てはまることだと思います。日本では、70歳未満は3割負担、70歳以上75歳未満は所得により2割または3割負担ですが、75歳からは1割負担となりますから、高齢者にとって抗がん剤など、一部の薬価の高い薬以外は、「高い」という意識があまり芽生えません。
そのため医師も平気で5~6種類の薬を処方し、患者も無駄な処方が多いと思っても、医師と良好な関係を保つために、異議を唱えたりせず、薬局で全部処方通りに購入して、家で必要なだけ飲むというケースが多いのではないでしょうか。
また医療費が無料の小児についても、親は“とりあえず”薬をもらっておいて、症状が治まったら余りは冷蔵庫などで保管し、年末の大掃除の際に飲まなかった薬を多量に破棄するというケースもよくあるでしょう。
製薬業界が昨年、処方されても飲まずに捨てられる薬(残薬)は400億円分に達するという試算を発表しましたが、処方薬の市場規模は約10兆円ですから、飲まずに捨てられる薬は金額ベースで約0.4%しかないことになります。
しかし、控えめに見ても、金額ベースで2~3割が無駄になっているように思えます。残薬の背景には、長期投薬による大量処方があることは間違いありません。薬局薬剤師の指導料の算定要件にも「残薬確認」が入っています。無駄を省くためにも、現場の薬剤師たちにもっと力を発揮してもらいたいものです。
いずれにしろ、医療費の抑制が国家的な課題になっている今、大掛かりで公正な調査が必要な時期に来ていると思います。公正な調査をするのであれば、厚労省には、製薬業界や、製薬業界と二人三脚の学会に丸投げするようなことはせず、関連の業界や学会を排除した、第三者による調査を期待しています。
(文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士)
●宇多川久美子 薬剤師として20年間医療の現場に身を置く中で、薬漬けの治療法に疑問を感じ、「薬を使わない薬剤師」を目指す。現在は、自らの経験と栄養学・運動生理学などの豊富な知識を生かし、感じて食べる「感食」、楽しく歩く「ハッピーウォーク」を中心に、薬に頼らない健康法を多くの人々に伝えている。『薬剤師は薬を飲まない』(廣済堂出版)、『薬が病気をつくる』(あさ出版)、『日本人はなぜ、「薬」を飲み過ぎるのか?』(ベストセラーズ)など著書多数。
参照元 : ビジネスジャーナル
現役医師20人に聞いた「患者には出すけど、医者が飲まないクスリ」糖尿病 高血圧 花粉症 インフルエンザ完全保存版一覧表
2015年03月21日(土)
心の中で「自分なら絶対に飲みたくない」と思っていても、患者には言えない。副作用がひどい、飲んでも意味がない—じつは、そんなクスリを処方している医者は多い。
風邪薬で死にそうになった
しんクリニック(東京・蒲田)の院長、辛浩基医師は「あるクスリ」を飲んで命を落としそうになった経験がある。
「私が研修医の頃でした。毎日深夜まで働いて身体がひどく疲れているときに、風邪をひいてしまったんです。熱があって鼻水もすごく出ていたので、症状が治まればいいと風邪薬を飲みました。仕事を終え、車を運転して自宅に帰っている途中、ものすごい眠気が襲ってきた。危うく事故を起こしそうになったんです。自分だけでなく、他人の命まで奪ってしまうところでした。あのクスリはもう飲みたくないですね」
そのクスリとは、非ピリン系感冒剤顆粒。商品名で言えば、「PL配合顆粒」などの風邪薬だ。風邪をひいて病院に行けば、かなりの確率でこのクスリが処方される。辛医師が続ける。
「当時、風邪薬でここまでひどい副作用が出るとは思っていませんでした。風邪の症状を抑えるのにはいいクスリですが、人によって副作用の出方がかなり異なる。今はそれをきちんと患者さんに説明してから処方するようにしています」
広く使われているクスリでも、じつは重篤な副作用をもたらすことがある。医者は、自らが服用したり患者に投与したりした経験から、「本当のクスリの怖さ」を知っている。都内の大学病院に勤務する循環器内科医はこう本音を明かす。
「患者さんには普通に処方していても、自分では絶対に飲みたくない、家族には飲ませたくないというクスリはけっこうあります」
以下略
参照元 : 現代ビジネス
薬剤師も医者も飲まない薬を患者に売りつける。人間の健康より金儲けを優先する異常な世の中。
降圧剤 は要注意!安易な服用は命の危険? 脳梗塞 、認知症 、意識障害 の恐れも
13 JUL 2015
最も市場規模の大きい薬「降圧剤」
降圧剤は、最も市場規模の大きい薬です。そのため何百種類もジェネリック【後発医薬品:新薬の特許期限が切れた後に販売される、新薬と同じ有効成分の薬】があります。しかし、最近まで降圧剤先発薬が使われるケースが多かったように思います。
ジェネリック医薬品のメーカーには先発薬メーカーほど技術的な蓄積がないため、服用後短時間で効果が表れ、急激な血圧低下を起こすケースが少なくなかったからです。
血圧が一気に上がることは危険ですが、一気に下がることも同じくらい危険なのです。ふらつき、頭痛、体調不良などを引き起こすからです。
そのため、ジェネリックの降圧剤は、医師の間で不人気な状態が続いていました。
しかし、ここにきて状況が大きく変化しました。最も売り上げの多い「ブロプレス」(武田薬品工業)と2位の「ディオバン」(ノバルティスファーマ)の特許期間が相次いで終了し、「オルメテック」(第一三共)と「ミカルディス」(販売:アステラス製薬、製造:日本ベーリンガーインゲルハイム)も特許の期限切れが近づいているのです。
降圧剤を必要としている人にとっては一生付き合っていく薬ですから、先発薬と同等の効果が期待できて安全性にも問題がなければ、これを機会にジェネリックに乗り換えようと考えている人も多いのではないかと思います。
ジェネリックに替えれば、30年服用した場合、保険適用・3割負担として4~20万円も節約できることになるのですから、当然といえます。
そうした旺盛な需要を見越して、メーカー側も力を入れています。ディオバンが特許切れになったあとは、各社から厚生労働省に降圧剤ジェネリックの製造申請が相次ぎ、34社140品目が承認され、すでに販売されています。
共通薬品名は「バルタルサン」です。ブロプレスに関しても、すでに「カンデサルタン」という共通薬名で販売されています。降圧剤は、今後も人気薬の特許期限切れが続くので、“ジェネリック・ラッシュ”はさらに激化することが予想されます。
ジェネリックは先発薬より質がいい?
このような状況で、患者はどのような選択をすべきでしょうか。最も無難なのは、オーソライズド・ジェネリックです。これは先発薬のメーカーが作ったジェネリックのことで、製造元は子会社か提携会社になっているため薬の形は違いますが、同じ原料と添加物を使って同じラインで製造しているので、先発薬と同等か、それに近い効果を期待できます。
それでいて価格は先発薬のおよそ半分に設定されているので、メリットは大きいといえます。先発薬を製造販売する大手製薬会社が、その子会社や別会社名義でオーソライズド・ジェネリックを製造するのは、長い間保持してきた先発薬のシェアを可能な限り保持していたいとの考えによります。
オーソライズド・ジェネリックは、先発薬開発メーカーから特許の使用許可を得ることによって、特許切れの前から半年(180日間)の独占販売が認められています。
先発薬とまったく同じジェネリック医薬品を先行で販売し、この間にシェアを獲得しておくのです。
先発薬と同じものが、他のジェネリックと同じ価格で手に入るので、オーソライズド・ジェネリックがジェネリック市場で圧倒的に有利なポジションにいることは疑いようがありません。
ただ、ジェネリックの大手メーカーは、水なしで飲めるOD錠(口腔内崩壊錠)にする、薬の表面に薬剤名を刻み、多剤併用患者がほかの薬と混同しないようにするといった付加価値を付けて対抗する動きを見せているので、定期的に薬剤師から情報を提供してもらうといいでしょう。
薬の世界では、ジェネリックのほうが先発薬より質がいいという下剋上がしばしば起きます。そうした情報は、ジェネリックを主体として薬を飲む患者にとって不可欠のものです。
降圧剤を飲むと脳梗塞の危険?
数多くのジェネリック降圧剤が発売され、たくさんの高血圧患者が服用するのは、脳出血を恐れている人が多いことの表れだと思います。
しかし、降圧剤を飲んでいても、脳出血の一つである脳梗塞が起きてしまうことがあります。脳出血を防ぐために血圧の薬を飲んでいるのに、なぜ脳梗塞が起きてしまうのでしょうか。
脳梗塞は、脳の血管に血栓が詰まり、その先の組織に酸素や栄養が行かなくなることで、さまざまな障害が生じる病気です。酸素や栄養が届かずに壊死した組織が軟らかくなるため、一昔前は脳軟化症と呼ばれていました。
1960年代には、脳梗塞は脳卒中全体の13%程度でしたが、食生活の欧米化などにより増え続け、現在は84%を占めるまで増えています。
脳の血管に血栓ができること自体は珍しくなく、これが即、脳梗塞につながるわけではありません。血栓ができても、人の体は血を送り出す圧力を高めて血栓を押し流してしまうからです。血栓ができると血圧が高くなるのは、そのためです。しかし、降圧剤で無理に血圧を下げてしまうと、血栓を押し流せなくなってしまいます。そうなると血栓が居座って肥大し、血管を完全に詰まらせてしまいます。その結果、脳梗塞が起こりやすくなるのです。
お酒をよく飲む人は、意識障害のリスクもあります。アルコールが体内に入ると血圧が低くなりますが、降圧剤を服用していると相乗効果が生じ、血圧が下がりすぎることがあるからです。
家の中でなら、ふらついてもさほど問題は起きませんが、冬場に公園のベンチなどで寝てしまったら大きな事故につながりかねません。
また、入浴時の溺死にも注意が必要です。温かい湯船に入れば、まずは一気に血圧が上がりますが、そのあとはどんどん下がってくるのです。血圧が下がると居眠りをしがちですが、特に降圧剤を服用している人は下がりすぎて意識障害が起きやすくなります。
あまり知られていませんが、日本で入浴中に死亡する人は年間約2万人もいるのです。これは、日本における交通事故死の約5倍の数字なので、浴室での意識障害を甘く見ることはできないのです。
さらに高齢者の場合、降圧剤の影響で脳の血の巡りが悪くなるために、脳内に酸素や栄養が行き渡らないので脳の活動が阻害され、脳血管性の認知症になる可能性もあります。
このように降圧剤は、血圧の下がりすぎによるリスクもあるので、医師に勧められたからといって、深く考えもせずに飲み始めるのは考えものです。要注意なのは、「ちょっと血圧が高めなので、降圧剤を飲んだほうがいいでしょう。弱いお薬なので、安心して服用できます」といった医師のセリフです。
血圧が高くなった原因に心当たりはないか、本当に薬の服用が必要か、薬以外の方法で血圧を安定させることはできないか?ご自身でよく考えてください。決断するのはあなた自身です。
(文=宇多川久美子)
参照元 : Business Journal
2015.05.21
私たちが病院に行って身体の不調を訴えれば、医師から処方箋をもらって、調剤薬局で薬を買うことができます。また、街中にはドラッグストアや薬局が数多くあり、さまざまな薬を簡単に手に入れることができます。いずれも、身体の不調を改善したい、症状を止めたいと薬の作用を期待して購入します。
しかし、薬には必ずプラス(効果)とマイナス(副作用=毒性)があって、マイナスのほうが大きく出てしまうケースが多くあります。重篤な副作用が出た場合は死に至ります。
欧米では副作用死に関する調査研究も行われており、米国では年間推計10万6000人が副作用で死亡(全米医師会報、トロント大学のチームの研究報告)と具体的な数まで出ています。
世界一、薬を飲むのが好きな国なのに、残念ながら日本ではこのような「副作用死」に関する調査研究はなされていませんが、日本での副作用死はアメリカよりずっと多いと考えられます。
その最大の理由は欧米では「1剤処方」が基本、多くても2剤であるのに対し、日本では5剤以上の処方が当たり前になっているからです。筆者が確認しているケースでは、あちこちの医療機関で受診し、84剤を処方されていた人もいました。
特に、窓口の自己負担率が1割である75歳以上の高齢者には10剤以上を処方することもよくあります。体力が低下し、本来選択的に薬を処方しないといけない年代の方たちが目を覆いたくなるような“薬漬け”にされているのです。その結果、多くのおじいちゃん、おばあちゃんが命を落としていることは、容易に察しがつきます。
4剤以上の併用は危険
アメリカの医師が若いドクター向けに書いた名著『ドクターズルール425 医師の心得集』(クリフトン・K・ミーダー編、福井次矢訳/南江堂)には、医師が持つべき「薬に関する心得」として次のような提言が出てきます。
(1)4剤以上飲まされている患者は、医学の知識が及ばない危険な状態にある。
(2)薬の数が増えれば増えるほど、副作用のリスクは加速度的に増す。
(3)処方を中止しても、患者の状態が悪くなるような薬はほとんどない。
(4)可能ならば、薬の処方を全部やめる。それができないなら、できるだけ薬を出さないようにする。
(5)効いているのか疑問に思った薬は、たぶん効かない薬だ。
(6)「患者は処方通りに薬を飲まない」
この中で特に興味深いのは(1)で、最初に「4剤以上飲まされている患者は、医学の知識が及ばない危険な状態にある」と断定していることです。
もしそうだとしたら、いったいどれだけの日本人が「医学の知識が及ばない状態」にあるのでしょうか。4剤以上服用している日本人は、5~6人に1人はいるといわれているので、2000~2500万人が医学の知識の及ばない状態、言い換えれば、いつ副作用死してもおかしくない状態にあるのです。
(2)の「薬の数が増えれば増えるほど、副作用のリスクは加速度的に増す」ということも、肝に銘じておくべきことです。現在の日本では、10剤以上の併用も珍しいことではなくなっているからです。
いまだかつて、10種類以上の薬を20年以上も飲み続けるとどうなるのかという実験が行われたことはありません。そのため、どんなことになるかわからないまま、壮大なスケールで国民の薬漬けが進行しているのが日本の現状なのです。
無駄な薬が流通している現状
病気を治すのは、あくまでも本人の免疫力や自己修復機能であって、薬ではありません。薬は「症状を緩和する」役割を果たしている脇役にすぎません。つらい症状が出た場合に薬を飲むと楽になるので、病気を治しているように勘違いしがちなのです。
(6)の「患者さんは処方通りに薬を飲まない」という指摘は、米国よりも日本の患者に当てはまることだと思います。日本では、70歳未満は3割負担、70歳以上75歳未満は所得により2割または3割負担ですが、75歳からは1割負担となりますから、高齢者にとって抗がん剤など、一部の薬価の高い薬以外は、「高い」という意識があまり芽生えません。
そのため医師も平気で5~6種類の薬を処方し、患者も無駄な処方が多いと思っても、医師と良好な関係を保つために、異議を唱えたりせず、薬局で全部処方通りに購入して、家で必要なだけ飲むというケースが多いのではないでしょうか。
また医療費が無料の小児についても、親は“とりあえず”薬をもらっておいて、症状が治まったら余りは冷蔵庫などで保管し、年末の大掃除の際に飲まなかった薬を多量に破棄するというケースもよくあるでしょう。
製薬業界が昨年、処方されても飲まずに捨てられる薬(残薬)は400億円分に達するという試算を発表しましたが、処方薬の市場規模は約10兆円ですから、飲まずに捨てられる薬は金額ベースで約0.4%しかないことになります。
しかし、控えめに見ても、金額ベースで2~3割が無駄になっているように思えます。残薬の背景には、長期投薬による大量処方があることは間違いありません。薬局薬剤師の指導料の算定要件にも「残薬確認」が入っています。無駄を省くためにも、現場の薬剤師たちにもっと力を発揮してもらいたいものです。
いずれにしろ、医療費の抑制が国家的な課題になっている今、大掛かりで公正な調査が必要な時期に来ていると思います。公正な調査をするのであれば、厚労省には、製薬業界や、製薬業界と二人三脚の学会に丸投げするようなことはせず、関連の業界や学会を排除した、第三者による調査を期待しています。
(文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士)
●宇多川久美子 薬剤師として20年間医療の現場に身を置く中で、薬漬けの治療法に疑問を感じ、「薬を使わない薬剤師」を目指す。現在は、自らの経験と栄養学・運動生理学などの豊富な知識を生かし、感じて食べる「感食」、楽しく歩く「ハッピーウォーク」を中心に、薬に頼らない健康法を多くの人々に伝えている。『薬剤師は薬を飲まない』(廣済堂出版)、『薬が病気をつくる』(あさ出版)、『日本人はなぜ、「薬」を飲み過ぎるのか?』(ベストセラーズ)など著書多数。
参照元 : ビジネスジャーナル
現役医師20人に聞いた「患者には出すけど、医者が飲まないクスリ」糖尿病 高血圧 花粉症 インフルエンザ完全保存版一覧表
2015年03月21日(土)
心の中で「自分なら絶対に飲みたくない」と思っていても、患者には言えない。副作用がひどい、飲んでも意味がない—じつは、そんなクスリを処方している医者は多い。
風邪薬で死にそうになった
しんクリニック(東京・蒲田)の院長、辛浩基医師は「あるクスリ」を飲んで命を落としそうになった経験がある。
「私が研修医の頃でした。毎日深夜まで働いて身体がひどく疲れているときに、風邪をひいてしまったんです。熱があって鼻水もすごく出ていたので、症状が治まればいいと風邪薬を飲みました。仕事を終え、車を運転して自宅に帰っている途中、ものすごい眠気が襲ってきた。危うく事故を起こしそうになったんです。自分だけでなく、他人の命まで奪ってしまうところでした。あのクスリはもう飲みたくないですね」
そのクスリとは、非ピリン系感冒剤顆粒。商品名で言えば、「PL配合顆粒」などの風邪薬だ。風邪をひいて病院に行けば、かなりの確率でこのクスリが処方される。辛医師が続ける。
「当時、風邪薬でここまでひどい副作用が出るとは思っていませんでした。風邪の症状を抑えるのにはいいクスリですが、人によって副作用の出方がかなり異なる。今はそれをきちんと患者さんに説明してから処方するようにしています」
広く使われているクスリでも、じつは重篤な副作用をもたらすことがある。医者は、自らが服用したり患者に投与したりした経験から、「本当のクスリの怖さ」を知っている。都内の大学病院に勤務する循環器内科医はこう本音を明かす。
「患者さんには普通に処方していても、自分では絶対に飲みたくない、家族には飲ませたくないというクスリはけっこうあります」
以下略
参照元 : 現代ビジネス
薬剤師も医者も飲まない薬を患者に売りつける。人間の健康より金儲けを優先する異常な世の中。
降圧剤 は要注意!安易な服用は命の危険? 脳梗塞 、認知症 、意識障害 の恐れも
13 JUL 2015
最も市場規模の大きい薬「降圧剤」
降圧剤は、最も市場規模の大きい薬です。そのため何百種類もジェネリック【後発医薬品:新薬の特許期限が切れた後に販売される、新薬と同じ有効成分の薬】があります。しかし、最近まで降圧剤先発薬が使われるケースが多かったように思います。
ジェネリック医薬品のメーカーには先発薬メーカーほど技術的な蓄積がないため、服用後短時間で効果が表れ、急激な血圧低下を起こすケースが少なくなかったからです。
血圧が一気に上がることは危険ですが、一気に下がることも同じくらい危険なのです。ふらつき、頭痛、体調不良などを引き起こすからです。
そのため、ジェネリックの降圧剤は、医師の間で不人気な状態が続いていました。
しかし、ここにきて状況が大きく変化しました。最も売り上げの多い「ブロプレス」(武田薬品工業)と2位の「ディオバン」(ノバルティスファーマ)の特許期間が相次いで終了し、「オルメテック」(第一三共)と「ミカルディス」(販売:アステラス製薬、製造:日本ベーリンガーインゲルハイム)も特許の期限切れが近づいているのです。
降圧剤を必要としている人にとっては一生付き合っていく薬ですから、先発薬と同等の効果が期待できて安全性にも問題がなければ、これを機会にジェネリックに乗り換えようと考えている人も多いのではないかと思います。
ジェネリックに替えれば、30年服用した場合、保険適用・3割負担として4~20万円も節約できることになるのですから、当然といえます。
そうした旺盛な需要を見越して、メーカー側も力を入れています。ディオバンが特許切れになったあとは、各社から厚生労働省に降圧剤ジェネリックの製造申請が相次ぎ、34社140品目が承認され、すでに販売されています。
共通薬品名は「バルタルサン」です。ブロプレスに関しても、すでに「カンデサルタン」という共通薬名で販売されています。降圧剤は、今後も人気薬の特許期限切れが続くので、“ジェネリック・ラッシュ”はさらに激化することが予想されます。
ジェネリックは先発薬より質がいい?
このような状況で、患者はどのような選択をすべきでしょうか。最も無難なのは、オーソライズド・ジェネリックです。これは先発薬のメーカーが作ったジェネリックのことで、製造元は子会社か提携会社になっているため薬の形は違いますが、同じ原料と添加物を使って同じラインで製造しているので、先発薬と同等か、それに近い効果を期待できます。
それでいて価格は先発薬のおよそ半分に設定されているので、メリットは大きいといえます。先発薬を製造販売する大手製薬会社が、その子会社や別会社名義でオーソライズド・ジェネリックを製造するのは、長い間保持してきた先発薬のシェアを可能な限り保持していたいとの考えによります。
オーソライズド・ジェネリックは、先発薬開発メーカーから特許の使用許可を得ることによって、特許切れの前から半年(180日間)の独占販売が認められています。
先発薬とまったく同じジェネリック医薬品を先行で販売し、この間にシェアを獲得しておくのです。
先発薬と同じものが、他のジェネリックと同じ価格で手に入るので、オーソライズド・ジェネリックがジェネリック市場で圧倒的に有利なポジションにいることは疑いようがありません。
ただ、ジェネリックの大手メーカーは、水なしで飲めるOD錠(口腔内崩壊錠)にする、薬の表面に薬剤名を刻み、多剤併用患者がほかの薬と混同しないようにするといった付加価値を付けて対抗する動きを見せているので、定期的に薬剤師から情報を提供してもらうといいでしょう。
薬の世界では、ジェネリックのほうが先発薬より質がいいという下剋上がしばしば起きます。そうした情報は、ジェネリックを主体として薬を飲む患者にとって不可欠のものです。
降圧剤を飲むと脳梗塞の危険?
数多くのジェネリック降圧剤が発売され、たくさんの高血圧患者が服用するのは、脳出血を恐れている人が多いことの表れだと思います。
しかし、降圧剤を飲んでいても、脳出血の一つである脳梗塞が起きてしまうことがあります。脳出血を防ぐために血圧の薬を飲んでいるのに、なぜ脳梗塞が起きてしまうのでしょうか。
脳梗塞は、脳の血管に血栓が詰まり、その先の組織に酸素や栄養が行かなくなることで、さまざまな障害が生じる病気です。酸素や栄養が届かずに壊死した組織が軟らかくなるため、一昔前は脳軟化症と呼ばれていました。
1960年代には、脳梗塞は脳卒中全体の13%程度でしたが、食生活の欧米化などにより増え続け、現在は84%を占めるまで増えています。
脳の血管に血栓ができること自体は珍しくなく、これが即、脳梗塞につながるわけではありません。血栓ができても、人の体は血を送り出す圧力を高めて血栓を押し流してしまうからです。血栓ができると血圧が高くなるのは、そのためです。しかし、降圧剤で無理に血圧を下げてしまうと、血栓を押し流せなくなってしまいます。そうなると血栓が居座って肥大し、血管を完全に詰まらせてしまいます。その結果、脳梗塞が起こりやすくなるのです。
お酒をよく飲む人は、意識障害のリスクもあります。アルコールが体内に入ると血圧が低くなりますが、降圧剤を服用していると相乗効果が生じ、血圧が下がりすぎることがあるからです。
家の中でなら、ふらついてもさほど問題は起きませんが、冬場に公園のベンチなどで寝てしまったら大きな事故につながりかねません。
また、入浴時の溺死にも注意が必要です。温かい湯船に入れば、まずは一気に血圧が上がりますが、そのあとはどんどん下がってくるのです。血圧が下がると居眠りをしがちですが、特に降圧剤を服用している人は下がりすぎて意識障害が起きやすくなります。
あまり知られていませんが、日本で入浴中に死亡する人は年間約2万人もいるのです。これは、日本における交通事故死の約5倍の数字なので、浴室での意識障害を甘く見ることはできないのです。
さらに高齢者の場合、降圧剤の影響で脳の血の巡りが悪くなるために、脳内に酸素や栄養が行き渡らないので脳の活動が阻害され、脳血管性の認知症になる可能性もあります。
このように降圧剤は、血圧の下がりすぎによるリスクもあるので、医師に勧められたからといって、深く考えもせずに飲み始めるのは考えものです。要注意なのは、「ちょっと血圧が高めなので、降圧剤を飲んだほうがいいでしょう。弱いお薬なので、安心して服用できます」といった医師のセリフです。
血圧が高くなった原因に心当たりはないか、本当に薬の服用が必要か、薬以外の方法で血圧を安定させることはできないか?ご自身でよく考えてください。決断するのはあなた自身です。
(文=宇多川久美子)
参照元 : Business Journal
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