2018年6月15日金曜日

厚生労働省が発表した衝撃の内容 処方薬や市販薬の新しい「使用上の注意」や「重要な副作用」

新たに判明!売れに売れているあの薬の「ヤバい副作用」 厚労省が発表した衝撃の最新情報



「今年4月18日に厚生労働省が発表した『医薬品・医療機器等安全性情報』の内容は衝撃的なものでした」

こう語るのは、都内の総合病院で働く精神科医。

「この文書はほぼ毎月のペースで発表されるもので、処方薬や市販薬の新しい『使用上の注意』や『重要な副作用等』が記されています。

4月の文書には通常より大幅に数の多い薬の副作用について改訂がありました。そしてそのほとんどが、催眠鎮静剤や抗不安剤だったのです」

たとえば睡眠薬として非常によく処方されているハルシオン。この薬には以下のような注意喚起がなされている。

「連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること」

同様の注意書きが、コンスタン、ルネスタ、アモバン、マイスリー、サイレース、リスミー、デパスといった38種類の薬に追加されている。

薬の種類は催眠鎮静剤、抗不安剤、抗てんかん剤、精神神経用剤などだ。とりわけ目立つのがベンゾジアゼピン系(ハルシオン、コンスタン、デパスなど)と呼ばれる向精神薬。

松田医院和漢堂の松田史彦氏が語る。

「ベンゾジアゼピン系の薬は、欧米では'70年代から'80年代にかけて依存性が問題になり、慎重に使われるようになりました。

ところが、日本ではそうした弊害についての情報が出回らず、患者も医者も危険性について認識していなかった。その結果、ベンゾジアゼピンの処方量は日本が世界トップクラスであるという異常な事態になっていたのです。

今回、ようやく厚労省が38種類の向精神薬について注意喚起しましたが、欧米に比べて30~40年遅れという印象ですね」

これまで野放し状態にあった薬の副作用が、現在になって改めて注目されているのはなぜだろうか。前出の精神科医が語る。

「高齢の患者が長期的に飲んでいるケースが増えているからです。

とりわけデパスは昨年10月に取り扱いの厳しい第三種向精神薬に指定されるまでは、非常に気軽に処方されていた薬です。

ちょっと気分が優れない、元気が出ないというだけで惰性的に出してもらう患者も多かった。なかには肩こりに効くといって出している医者もいたくらいです」

ベンゾジアゼピン系の薬には依存性があり、習慣化すると飲むのをやめるのが難しい。埼玉医科大学病院の上條吉人教授が語る。

「薬を急にやめると不安になる、胸がドキドキする、手が震える、痙攣、せん妄などの離脱症状(禁断症状)が出ます。

この薬には神経細胞の活動を抑制する脳内物質の作用を増強させる働きがあります。高齢者の場合は、認知機能の低下や譫妄にもつながり、長期的に服用すると認知症の発症率も高くなることがわかっているのです。

さらに筋弛緩作用もあるので、ふらついて転倒・骨折し、そのまま寝たきりになってしまうケースもあります」



精神科の医者であれば、依存性などに関する情報も把握している場合が多い。しかし、これらの薬は内科や整形外科でもしばしば処方されるため、最新の情報に触れる機会のない医者たちが依存性などを軽く見て、漫然と処方してきたという問題もある。

「うがった見方をすれば、患者さんが催眠鎮静剤によって依存状態になれば、一生医療機関に通い続けることになる。これが、医者にとっての『固定資産』になっている面も否めません。

実際、私が催眠鎮静剤の危険性をテーマに講演をしても、『依存して何が悪い』という態度の医者もいます」(上條氏)

遅すぎた対応かもしれないが、これだけの薬に厚労省の注意喚起が行われるのは異例のこと。自分の飲んでいる薬が含まれていないか、確かめたほうがいい。

「週刊現代」2017年5月27日号より

参照元 : 週刊現代



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