2016年8月1日月曜日

ラッパのマークの「正露丸」は百害あって一利無し!主成分は解毒剤すら存在しない劇薬だった!癌の発症リスクを高める薬剤

正露丸の主成分は解毒剤すら存在しない劇薬! 薬剤師いわく「百害あって一利なし」

2016.07.22



あなたの家にも救急箱があるはずだ。どんな常備薬が入っているだろう? 浅田飴、命の母、宇津救命丸、太田胃散、改源、キンカン、救心、アンメルツ、サロンパス、シッカロール、根治水、仁丹、たこの吸い出し、龍角散……。

そんな定番薬に混じって、必ず見つかる茶色の小瓶「ラッパのマークの正露丸」。子どもの頃、飲まされたほろ苦い記憶があるかもしれない。

良薬は口に苦し! 正露丸は110余年もの間、大衆に服用されてきた止瀉薬(下痢止め)。国内の認知度90%以上、市場シェア50%以上を誇る超ロングセラー大衆薬だ。

だが、正露丸は本当に良薬なのか? その有効性と安全性を検討した実証研究がある。

クレオソートは、がんの発症リスクを高める薬剤

時間はやや遡る。1999年9月12日、医薬品・治療研究会(代表・別府宏圀)と医薬ビジランスセンターJIP(代表・浜六郎)は、民間の医薬品監視機関である薬害オンブズパースン会議の委託による共同研究を行い、『正露丸の有効性及び安全性(危険性)の評価に関する研究』を発表した。この共同研究は、正露丸の安全性と有効性を以下のように結論づけている。

最大手メーカー大幸薬品の添付文書によれば、正露丸の主成分は木タールから製造されるクレオソート。クレオソートは、フェノール(14.5%)、クレゾール(16.8%)、グアヤコール(23.8%)、クレオソール(19.1%)、エチルグアヤコール(6.4%)が混合するフェノール系化合物だ。

クレオソートは、解毒剤がない劇薬のため、細胞や神経を傷害する高濃度の腐食性があり、血液障害、腎障害、がんの発症リスクを高める薬剤とされる。ただしは、腸液の分泌抑制・吸収促進、腸の蠕動抑制などによって下痢を止める作用はあるが、殺菌効果はない。

添付文書は、服用の注意を下記のように記載する。

①劇薬成分が含まれているので,用法用量を必ず守る。
②5才未満は禁忌。
③小児には喉につかえないように注意し、保護者の指導監督で服用する。
④効能以外の目的には絶対に使用しない。
⑤水または白湯で服用する。
⑥他の止瀉剤との併用は絶対しない。

ただ、「皮膚に付着したらせっけん及び湯を使ってよく洗ってください」とあるが、皮膚に付着してはいけない薬を内服するリスクの記載は一切ない。

効能は、下痢、食あたり、はき下し、水あたり、くだり腹、軟便、むし歯痛。アレルギー、肝疾患、腎疾患などの患者、高熱を伴う下痢、血便、粘液便の続く人、妊産婦、高齢者などは、医師や薬剤師に相談のうえ、服用するとしている。

自殺する目的で240粒を服用後、意識消失と溶血が

正露丸の1日の最大常用量(成人)は9粒。動物実験の結果によれば、成人の中毒量は1日の最大常用量の約2~4倍(18〜36粒)と推定される。

成人の1日の最大常用量の約4倍を服用したため、麻痺性イレウス(腸閉塞)、腸管壊死、貧血を発症したり、腎不全の手術・透析を行った臨床例がある。また、自殺する目的で240粒を服用後、意識消失と溶血が認められ、透析を受けた臨床例もある。

これらの症例を放置すれば、患者は死亡した可能性が極めて高い。

また、消費者は薬が効かないと感じれば、増量して服用したり、1日の最大常用量の約2~4倍を服用するリスクは避けられない。したがって、医師や薬剤師の処方箋を必要としない市販薬としての安全性は極めて疑わしい。

正露丸の臨床試験は、使った・治った・効いたという「三た論法」の論文だけを根拠にしている。つまり、正露丸を投与しない対照群との二重盲検試験をまったく実施していない。したがって、正露丸の有効性を実証する根拠となり得ない。

以上の論点から、正露丸の安全性と有効性の根拠はまったくない。長期的にも短期的にも服用のリスクが高いので、一般医薬品としての価値は認められない。つまり、その毒性は許容できず、臨床効果は適切な臨床試験で証明されていないことから、販売を中止すべきとの結論となっている。

なぜ薬剤師たちは、正露丸を飲まない、奨めないのか?

この共同研究の結果を受けて、薬害オンブズパースン会議は、さまざまなアクションを起こしている。

たとえば、2001年1月、養護教諭と学校薬剤師宛にアンケート調査を実施したところ、約25%の学校が常備していたことが分かった。日本学校薬剤師会に対しては、学校薬剤師の正露丸への関与についての要望書も提出。一方、学校薬剤師の78.0%は「特に指名・希望がない場合は正露丸を奨めていない」、52.2%は「指名・希望がある場合でも他の下痢止めを奨める場合がある」、87.1%は「自らも正露丸を服用していない」ことが分かった。

さらに、薬害オンブズパースン会議は、厚労省と大幸薬品に対して、正露丸の販売中止を求める要望書を提出。2001年3月、厚労省は、正露丸との因果関係が否定できない肝機能障害3症例の重篤な副作用を「医薬品・医療用具等安全性情報165号」に掲載し、2002年5月、具体的な症例を情報開示した。

しかし、大幸薬品は「薬害オンブズパースン会議の要望について」という文書を全国の薬局に送逹。正露丸は年間およそ3億回服用分が製造され、多くの消費者に支持されている薬であり、まれにアレルギー症状(軽度の湿疹)などの軽度な副作用が見られる以外はないと釈明し、「販売は中止しない」と公式に表明している。

都内総合病院に勤務する薬剤部部長のK氏は、次のように語る。

「正露丸は、古くから販売されている医薬品という点で、安全性が担保されているという考えもできなくはない。また、どんな医薬品でも量を誤れば、何らかの有害事象(副作用)が起こる」

しかし、そのような前提があっても、正露丸には「極めて危険だと感じる点」があるという。

「正露丸は、添付文書に定める用法・用量からわずか2倍量を超えただけで中毒量に当たる医薬品である点、簡単に入手し服用ができ点を考えると、極めて危険だと感じる。これまであまり大きな問題が起こっていないのは、あの独特の匂いや味覚が、服用量を増やしてしまう行為につながりにくいからだけではないか」

さらに、正露丸を患者にすすめない理由を、以下のように補足する。

「私自身は、あの独特な匂いはクレゾールから来るものでだと気がついたことや、平成8年に青森のある公園で起こった事件――ネコ除けのために撒かれたクレゾールのため、幼児たちが皮膚やけどや意識混濁を起こしたという事件の記憶が鮮明に焼き付いているので、正露丸の服用はすすめてはいない。現に、医療用医薬品にクレオソートを含有した医薬品はないし、クレゾールを使用するような場面もほとんどなくなっていることからも、百害あって一利なしではないのか」

いかがだろう? それでも下痢に苦しんだら、やっぱり正露丸?

(文=編集部)

参照元 : healthpress

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