2018年11月17日土曜日

世界21カ国で食卓塩として販売されている39銘柄を調査 した結果、9割の食塩にプラスチック片!

9割の食塩にプラスチック片、成人1人当たり年間2000個が体内に

2019/10/23(火) 19:10配信



──世界21カ国で取れた塩を使い、食卓塩として販売されている39銘柄を調査

■ 39銘柄中プラスチック片ゼロはわずか3銘柄

海のプラスチック汚染が叫ばれてから久しい。米国化学会発行の業界誌ケミカル&エンジニアリング・ニュース(C&EN)によると、年間800万トンのプラスチック・ゴミが海に流れ出ている。そんな中、プラスチック汚染に関してショックなデータがまた1つ明らかになった。このほど行われた調査で、私たち人間も、海に流れ着いたマイクロプラスチックを年間2000個も口にしているというのだ。

世界21カ国で取れた塩を使い、食卓塩として販売されている39銘柄を調査したところ、その90%からマイクロプラスチックが検出されたという。これは、成人1人当たり年間2000個のマイクロプラスチック片を食べているのに相当する。マイクロプラスチックが発見されなかったのはわずか3銘柄だった。

マイクロプラスチックとは、粉々になって大きさが5ミリ以下になったものを指す。

■ アジア産の食塩に目立つ

米ウェブメディア、クオーツによると、調査は韓国の国立大学、仁川大学校が国際環境NGOのグリーンピース・東アジアと共同で行なったもの。結果は10月16日、エンバイロメンタル・サイエンス・アンド・テクノロジーに発表された。

調査に使用された食塩は、オーストラリア、ベラルーシ、ブルガリア、中国、クロアチア、フランス、ドイツ、ハンガリー、インド、インドネシア、イタリア、韓国、パキスタン、フィリピン、セネガル、台湾、タイ、英国、米国、ベトナムの21カ国で取れたもの。39の銘柄のうち、28銘柄は海塩、9銘柄は岩塩、2銘柄は湖塩だった。前述の、「マイクロプラスチックが検出されなかった3銘柄」は、台湾産の精製海塩、中国産の精製岩塩、そしてフランス産の未精製の海塩だった。

サンプルの中で最も多くのマイクロプラスチックが検出されたのは、アジア諸国産の塩だった。マイクロプラスチックの含有量が多かった上位10銘柄のうち9銘柄がアジア産だったのだ。クオーツは、含有量の多さは、最も多くのプラスチックが海に流れ出ているポイントと関係があると指摘している。

前述のC&ENによると、海のプラスチック・ゴミの出どころは、世界中でアジアとりわけ東南アジア諸国が最も多い。

クオーツによると今回の調査を行なったチームは、この調査結果により、プラスチック汚染が世界で最も深刻な場所はアジアであることが改めて示されたのみならず、海塩が、海洋環境のマイクロプラスチック汚染の度合いを知る指標になり得ることも示していると述べている。

しかし当然ながら、食塩から取り込むマイクロプラスチックは、人間が体に取り込んでいる全体量のほんの一部に過ぎない。体内に入る全体量は年間で成人1人当たり3万2000片に上ると見られており、食塩からの2000片はこのうちわずか6%程度だ。クオーツによると、80%は呼吸から体内に取り込まれている。

参照元 : ニューズウィーク日本版


世界の海洋プラスチック廃棄物の9割は、わずか10の河川から流れ込んでいる

2018年7月12日(木)17時20分



<ドイツの研究によると、海洋に流出しているプラスチック廃棄物のおよそ9割が、わずか10の河川から流れ込んでいる>

プラスチック廃棄物が海洋に流出し、海洋生態系を脅かすようになって久しい。現在も、世界全体で1年間に800万トン規模のプラスチック廃棄物が海洋に流れ込んでいるとみられている。

それでは、これらのプラスチック廃棄物は、いったいどこから海洋に流れ込んでいるのだろうか。 独ヘルムホルツ環境研究センター(UFZ)の研究プロジェクトによると、海洋に流出しているプラスチック廃棄物のおよそ9割が、わずか10の河川から流れ込んでいるという。

10の河川とは...
その流出源として挙げられているのが、中国の長江、黄河、海河、珠江、中国とロシアとの国境付近を流れるアムール川、東南アジアを縦断するメコン川、インドのインダス川とガンジス・デルタ、アフリカ大陸東北部から地中海へと流れるナイル川、西アフリカのニジェール川で、いずれの流域も比較的人口の多い地域として知られている。

また、研究プロジェクトでは、プラスチック廃棄物の排出量とプラスチック廃棄物の不適切な処理との相関関係を分析し、流域で適正に処理されていない廃棄物が多いほど、河川から海に流出するプラスチック廃棄物の排出量が増えることを明らかにした。

研究プロジェクトを主導した水理地質学者のクリスチャン・シュミット博士は「これら主要な河川の流域からのプラスチック廃棄物の排出量を半減させるだけでも、海洋汚染の軽減に大きな効果をもたらす」と指摘。「そのためには、廃棄物の分別回収やリサイクルなど、廃棄物マネジメントの改善をはかるとともに、一般市民に向けた啓発活動を積極的に行うことが不可欠だ」と説いている。



世界ではじまったプラスチック廃棄対策
いわずもがな、海洋に流出するプラスチック廃棄物の量を減らすことこそ、プラスチックによる海洋汚染の防止につながる最も有効な対策だ。

地球環境保護に先進的に取り組む米シアトル市では、2012年からプラスチック製レジ袋を禁じているほか、2018年7月1日、飲食店に対してプラスチック製のストローや容器、カップなどの消費者への提供を禁じる条例を定め、世界的な注目を集めた。

一方、欧州委員会では、EU加盟国に対して、プラスチック製レジ袋の消費量を2019年までに2010年比で80%削減するよう求めている。

また、新興国でも、同様の取り組みが始まっている。東アフリカのケニヤやルワンダでは、すでに、レジ袋を禁じる法律が施行されている。

また、インドでは、2016年3月に「プラスチック廃棄物マネジメント法(PWM)」を定め、レジ袋の規格に制限を設けたほか、プラスチック廃棄物の回収・リサイクルの推進に国をあげて取り組んでいる。

プラスチック廃棄物の海洋流出をより効果的に食い止めるためには、この研究プロジェクトのように、プラスチック廃棄物の発生源や移動経路について科学的なアプローチからより詳しく解明していく必要もあるかもしれない。



参照元 : newsweekjapan



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